一番がいい!!



浴衣が着崩れない程度に全力で駅に向かう。





「遅いよ!」



遊実が手招きしている。




薄い紫に、蝶の柄の浴衣。



高い位置のおだんごヘアーが似合ってる。



その隣には、中田くんがいてカーキのパンツに、黒のTシャツ。




イケメンは、何を着ても似合う!





少し離れた場所に…




柳澤くん。




ケータイを触っている姿も様になってる…



駅が出て来た人たちが次々に振り向き、




「カッコイイ!」



口々に言っているのが聞こえる。





「ごめん!

遅くなって…」



息を切らしながら、話すと




近付いてきた中田くんが驚いた顔で




「高梨さん…

可愛いね…」




ボソっと呟いた。




「えっ、あっ、ありがとう…」





浴衣って、ちょっとは可愛く見えるのかなぁ。



少し照れる…





「智哉! 行くぞ〜」



こっちを見る柳澤くんと目が合う。




一瞬驚いた顔をした気がした…



すぐに王子様スマイルでやってきた。




< 181 / 360 >

この作品をシェア

pagetop