一番がいい!!
浴衣が着崩れない程度に全力で駅に向かう。
「遅いよ!」
遊実が手招きしている。
薄い紫に、蝶の柄の浴衣。
高い位置のおだんごヘアーが似合ってる。
その隣には、中田くんがいてカーキのパンツに、黒のTシャツ。
イケメンは、何を着ても似合う!
少し離れた場所に…
柳澤くん。
ケータイを触っている姿も様になってる…
駅が出て来た人たちが次々に振り向き、
「カッコイイ!」
口々に言っているのが聞こえる。
「ごめん!
遅くなって…」
息を切らしながら、話すと
近付いてきた中田くんが驚いた顔で
「高梨さん…
可愛いね…」
ボソっと呟いた。
「えっ、あっ、ありがとう…」
浴衣って、ちょっとは可愛く見えるのかなぁ。
少し照れる…
「智哉! 行くぞ〜」
こっちを見る柳澤くんと目が合う。
一瞬驚いた顔をした気がした…
すぐに王子様スマイルでやってきた。