一番がいい!!
駅に着くと押し出されるように人が動く。
柳澤くんは、私を守るように、肩を抱いてゆっくりとホームに降りた。
「ありがとう…」
降りた途端に、恥ずかしくなりうつむいたままお礼を言う。
「別に…」
素っ気ない返事が聞こえる。
気まずい空気…
「遊実は?!」
慌てて辺りを見渡すと、少し離れたベンチに座っていた。
「どーしたの?!」
慌てて駆け寄ると、少し青い顔をして、ハンカチで口元を押さえいた。
「人に酔っちゃったみたいで…」
中田くんが、困った顔で寄り添っていた。
「ごめんね…
大丈夫だから、行こっか!」
遊実は立ち上がった途端、ふらっとよろける。
中田くんが抱き留め、ゆっくり座らせる。
遊実の前に座り、
「その顔色じゃ無理だよ…
帰ろっか?
送ってくよ?」
心配そうに見上げた。