一番がいい!!
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「この辺りでいいんじゃない?」
柳澤くんの指差す場所は、花火の会場からは少し離れた河原。
遊実が戻って来たときのことを考えて、人の少ないところにしてくれたんだろうなぁ…
とっても気遣いのできる優しい人なんだなぁ…
持って来てたレジャーシートを広げて、座る。
「遊実…大丈夫かなぁ?」
急に心配になり、駅のほうを見つめる。
「大丈夫だって!
電話あって、こっちに向かってるって言ってただろ?
オレらは場所探してウロウロして遠回りしたけど。
ここなら駅からの近道通ればすぐだし!
翔平も、付いてるし」
「そーだね…」
遊実は、大切な友達なのに
私は何もしてあげられない…
頭の上に、ポンポンと手が乗る
「大丈夫…
心配するなよ。」
横で優しく微笑んでくれた。
悲しかった思いが和らぐ。
心臓がトクン、トクンと音を立てる。
顔を直視できなくて、空を見上げた。
「もうすぐ始まるね!
間に合うかなぁ?」
「あぁ、そーだなぁ。
ゆっくり歩いても、始まるまでには…」
堤防の人だかりのほうに目を向けたかと思うと、ピタリと止まった。