一番がいい!!


*******



「この辺りでいいんじゃない?」



柳澤くんの指差す場所は、花火の会場からは少し離れた河原。



遊実が戻って来たときのことを考えて、人の少ないところにしてくれたんだろうなぁ…



とっても気遣いのできる優しい人なんだなぁ…





持って来てたレジャーシートを広げて、座る。




「遊実…大丈夫かなぁ?」



急に心配になり、駅のほうを見つめる。




「大丈夫だって!

電話あって、こっちに向かってるって言ってただろ?

オレらは場所探してウロウロして遠回りしたけど。


ここなら駅からの近道通ればすぐだし!

翔平も、付いてるし」



「そーだね…」



遊実は、大切な友達なのに



私は何もしてあげられない…






頭の上に、ポンポンと手が乗る



「大丈夫…

心配するなよ。」





横で優しく微笑んでくれた。



悲しかった思いが和らぐ。

心臓がトクン、トクンと音を立てる。



顔を直視できなくて、空を見上げた。



「もうすぐ始まるね!

間に合うかなぁ?」



「あぁ、そーだなぁ。

ゆっくり歩いても、始まるまでには…」



堤防の人だかりのほうに目を向けたかと思うと、ピタリと止まった。







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