一番がいい!!



「静香センパ〜イ!!」



教室に向かう廊下でセンパイと大矢センパイを見つけた。



「静香センパイ!

… 私…」



はぁはぁ…息を整える。


最近、大也センパイに遠慮してこんな風に静香センパイに話したことはなかった。


私の様子にビックリしたのか



「静香、先行くぞ!」



大矢センパイは、教室に入っていった。





「センパイ、この間はスミマセンでした」



深々と頭を下げる。



「いいよ。

何かあったんでしょ?」



両肩を持ち、頭を上げさせてくれる。



センパイにギュッと抱きつき



「私、柳澤くんのこと好きみたいです。

今、気付きました…


あのとき、柳澤くんがセンパイのことを好きだって思ったら、モヤモヤしたんです…


柳澤くんに振り向いてくれなかったセンパイにイライラしたり…

大矢センパイと仲良くしてて、嬉しかったはずなのに、柳澤くんの気持ちを考えたら、急に素直に喜べなくなって…



柳澤くんにも、大矢センパイにもまっすぐ想いを伝えたセンパイは、何も悪くないのに……

私の勝手な気持ちなのに…

あんな態度とってごめんなさい…」





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