一番がいい!!



少し先のカフェに入り、席に着く。



「何飲む?」



柳澤くんが聞いてくれる。



「ココア…」





無性に甘い物が飲みたい気分だった…



遊実も同じ。





中田くんは、横を向き、



遊実は、うつむいたまま顔を上げない。



この空気がたまらなくて、気になったことを聞いてみた。



「さっき、名前で呼ばれた気がしたんだけど、なんで?」



「あぁ…

クラスメートじゃ、説得力ないだろ?

彼女にしておいたほうが、相手も引くかと思って。

だったら、苗字はおかしいだろう?

イヤだった?」





すごく心配してくれてる。



いつもはこんな聞き方してこないのに…




急に恥ずかしくなってきた。



なんでこんなこと、聞いちゃったんだろ…




「あっ、ううん。

ビックリしただけ…」



「じゃ、これからも名前で呼ぶから。

オレも智哉でいいし!」



「えっ、いやぁ…」



「助けなかったほうがよかったのかなぁ?

貸し【2】だなっ」





ニヤリと笑う。


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