一番がいい!!
「えっ?!
私のじゃないの?」
真顔でケーキを眺める。
「知里、よく聞け…
遊実は、散々泣いたから糖分が必要だ。
これで1こ確定」
うん、そーだ。
わかるよ!
「知里は、女だからいつでも食べられる」
まぁ、そーだね。
「オレは、女じゃないから食べる機会が少ない。
じゃあ、このケーキを食べるのは誰だ?」
ん?
智哉は、私の顔を見てココアを一口飲む。
「智哉?…が食べるの?」
「正解!
バカだと思っていたが、そーでもなかったなっ」
ニヤリと笑う。
うっ!
この顔、かっこいい…
ハッ、ダメだ!
でも、ここは引けない!
ケーキを見せられて食べれないとか、ありえないから!!
「じゃ、3つ頼めばいいじゃない?!」
そーゆーことだよね?!
「…やっぱり知里はバカだったか…
3つ頼んだとする。
店員が持ってきて、どこに置くんだ?
オレの前か?
翔平の前か?」
店員さんになったつもりで考えた…
男の子は、特にこの2人はとても頼みそうにないよね…
どこに置くんだろう?
首を大きく傾げた。
ココアを一口飲んで、
「遊実は、こんな状態…
ってことはだ、必然的に知里の前に2つ
ってことだ」
「えっ〜?!」
大声を上げそうになって慌てて、口を押さえる。
それは恥ずかしいかも?!
「それを避けた結果がこうなったわけだ」
パクリっと、ケーキを口に運ぶ。
はぁ…食べたかったなぁ…
ガックリと肩を落とす、目の前にはコーヒー…