一番がいい!!
「…どーゆーこと?」
大也センパイの腕の中から、弱々しい声が聞こえる。
「花火大会のとき、智哉がオレんとこ来て
『静香をなんでフッたのか?』って聞かれて。
静香はオレのこと好きなはずなのに、智哉と一緒にいたことに腹を立てて、断ったなんて言えなかった…」
「何… ソレ…」
「智哉が、静香の話してたこと教えてくれて…
智哉に心変わりしたんじゃなかったって知ったら、スゲー嬉しくて。
智哉に『諦められるか』聞いたら、
静香が幸せならそれでいいって。
いい奴だよな…。
で、そんとき思ったんだ。
コイツをバスケ部に入れようって。
春の最後の大会で1回は勝ちたいってのもあったし。
そんとき、静香と付き合うからバスケ部入れって言った。
静香を寂しがらせるんじゃないかって不安になったけど、
智哉が諦めてくれるなら、オレはそれ以上の努力をしないといけないって思った…
オレにとっては、静香と智哉が手に入るっておいしい方法だったわけ!
ごめんな、静香…
わかってくれた?」