一番がいい!!




「柳澤くん…」



後ろから、静香センパイの声がした。



柳澤くんは、スッとアゴをどけて振り返る。




はぁ…



力が抜ける…




「柳澤くん…

大矢が酷いことをして、ごめんなさい。

バスケ部、辞めていいから。

ねっ?

大矢?」




いつの間にか立ち上がっていた2人。



静香センパイは、悲しそうに大矢センパイを見つめた。






「まぁね!

最後の大会までバレないで欲しかったんだけど。

バレちゃったら仕方ない」




悪びれる様子もなく、ヘラヘラしながら、智哉を見た。




でもその目だけは… 真剣だった。







「バスケは続けますよ!

中学と違って、自由だし」





「え?」

「はぁ?!」

「ん?」



予想外の答えにビックリして、同時に声が出た。




「ダマされてたんだよ?

怒ってないの?」



この人、賢いけどバカなの?!



目をまん丸く開いた私に、ニヤリと笑うと




「最初はダマされてたけど、

大也さんが、静香センパイ大事にしてるのわかってたから」



「気付いてたってこと?」



「当たり前!

大也さん、静香センパイ見ると顔がスゲー、ダラしなくなる」



大也センパイが片手で顔を抑える。




やっぱり探偵の才能があるんだと思う!


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