一番がいい!!
すれ違う気持ち
そのとき…
キーンコーンカーンコーン…
「ヤベェ、授業始まる!」
大矢センパイが、静香センパイの手を取ると走り出す。
背中がすぐ遠くなる。
その後ろ姿が、なんだか嬉しくて見送ってしまってた。
「何のんびりしてんだよ!
知里、行くぞ!」
智哉が私の手を取って走り出した。
あっ、遅刻!!
「一人で走れるよ!」
「さっき、かなり遅かった!
引っ張ってやる!」
スピードが上がる。
速い!
大きくて、少しゴツゴツしてる男の手。
手が…繋がってる…
はっ、恥ずかしい…
あんなに速く走ったのに、教室に着くと授業が始まっていた。
この学校にサボるという選択肢はない…