一番がいい!!



顔を上げると…



声を殺して笑っていた。




「…笑うことないじゃない…


ごめん…忘れて…」




涙が頬を伝う。






こんなに勇気を出して告白したのに、



まさかそれを笑う人だとは思わなかった…



私なんて智哉に釣り合わないってわかってる…




胸をグッと押して出ようとすると、



さらに強く抱きしめられた。





「離してよ…」



涙でうまく声が出ない。



「勘違いしてる…」



勘違い?




どこに勘違いすることあったの?




笑われたことに間違いはないはず…






「笑ったのは、知里が変なこと言うから!」




人の告白を変なことって…




ダメだ…




心が折れた…




膝から崩れ落ち、床に座り込む。




「私が好きだなんて、おかしいよね…」




顔を抑え、声なき声で言う。



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