一番がいい!!




ダメだ、ダメだ!



話を変えなきゃ!





「何か探し物してたんだね。

何を探してたの?」





明るく振る舞う。





「オマエだよ!

知里を探してた」



「えっ、私?!」



「授業中も休憩中も何回も声かけたけど、全く無視だし。

放課後、横向いたらいないし!

オレ、返事してないし…」




プイっと横を向いてしまう。



返事してないって…




返事はわかってるって言ってるのに、まだ私を追い詰めますか…



性格悪いとは思ってたけど、まさかここまでだとは…




「フラれたって思ってるから、何も追い打ちかけなくてもいいじゃない…」




ダメだ…




やっぱり涙が出る…





ドンッ!!




えっ?!




横を向くと壁に拳が当たってる。




壁、壊れるよ…




手、痛くないの?



何より…




こ、怖いんですけど…




拳を見たまま動けない。





アゴをつかまれ正面を向かされると、すぐ近くに智哉の顔。




最近、このどアップばかりだけど、全然慣れない…




後ろ、壁だから逃げられないし!!


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