一番がいい!!
笑いが我慢できず、知里を抱きしめる腕が震える。
「…笑うことないじゃない…
ごめん…忘れて…」
えっ?
忘れて?
知里を見ると…
泣いてる…?
ヤバイ!やり過ぎた!
サッと血の気が引く…
嫌われたくない…
胸をグッと押されて出ようとするから、さらに抱きしめた。
…絶対、逃がさない。
「離してよ…」
小さな震える声が聞こえる。
コイツ、絶対わかってない…
「勘違いしてる…」
眉間にシワがよった。
言ったこと覚えてないんだから、わからないだろうな…
「笑ったのは、知里が変なこと言うから!」
突然、オレの腕をスルリと抜けて、
知里は床に座り込んだ。
「私が好きだなんて、おかしいよね…」
顔を抑え、辛うじて聞き取れる声がした。