一番がいい!!
ファッ、ファーストキス?!
それだけはダメだから!!
いつか、いつか、私が本当に好きになった人とって決めてるんだから!
私は口を両手で隠しながら、必死に首を横に振る。
柳澤くんは少し驚いた顔をしながら
「今どき、そんなに大切にしてるんだ…
かわいいとこあるじゃん!
なら、オレに奪われないように気を付けないとなっ」
ニヤリと笑う顔に、ドキッとする。
なんで、ドキッとなるのよ!!
バカ心臓!!
柳澤くんの手がスッと私に伸びてきて、ビックリして動けない。
「そんな怖がるなよ!襲わないから!」
私のブレザーのポケットにスッと手を入れると、
「ケータイ貸して…オレの番号とメアドっとっ!
交換オッケー。
センパイの情報、何かわかったらメールしろ!
あと、オレの裏の性格のこと、誰にも言うなよ!
じゃ、先行くわ!」
また、スッと私のポケットにケータイを入れると、去っていった。
その後ろ姿をながめ、ハッと我に返った!
「サイッッテーーー!!」
廊下に響きわたる声を聞き、振り返りもせず、ひらひらと手を上げた。