一番がいい!!



「知らないの?


柳澤くんは、中学のころから勉強はできるし、スポーツ万能。


新入生挨拶は、入試トップの人がやってるんだから!



先生の信頼も厚くて、何よりあのイケメン。


モデルにもスカウトされたことが1回や2回じゃないんだから!


へたなアイドルより人気あるのよ!


王子様って呼ぶ人もいるのよ!



高校でも、ナンバー1に違いないわ!」



フンと、鼻を鳴らす勢いで熱く語ってくれた。


あぁ、わかる気がする。


あの顔は、王子様だよね…





入学式のときなら、私もうんうん頷いていたでしょう…



何も知らず、センパイと付き合うことになっていたら、喜んで祝福していたでしょう…







でもでも、私は知ってしまったから!!




王子様の本性を!!







私は、あの悪いムシからセンパイを守りぬかねばなりません!





メラメラっと闘志に燃えると



クスッ…


横を向く遊実。






熱く語る澪羅は、それに気付くことなく





「関係ないなら、あんまり近づかないでね。

見ちゃうと誤解しちゃうし!


じゃあね!」




鋭い眼差しで睨むと、


早口で言いたいことだけ言って去っていった…。



やっぱりにらまれてたんだ…



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