一番がいい!!



バレないように



「よろしくお願いします」



ペコリッと、頭を下げる。




動揺した気持ちを押さえ込む。



柳澤くんのことは、気になりながら

テストのことも気にならなかったわけじゃなかったんだよね…



授業が全くわからないのも、気になっていたんだ。



1年間、勉強しかしてないってくらい頑張っていたのに…




バタバタと教科書を渡すと



「数学の教科担任は、渡邊先生だよね。

去年私も一緒だったから、この辺りかなぁ。

あと、ココもチェックしておくといいよ」



教科書をパラパラめくり、指差して教えてくれる。



えっ!もうこんなところまで進んでいるの?



隣に座る柳澤くんの顔を見ると、




「ココですね。ちょっと難しいと思っていたんです。

教えてもらっていいですか?」



私の目線にも気付かず、センパイに話しかける。



「コレはコツがあって、この公式に…」



…ヤバイ、置いていかれる。



私は、センパイの説明を聞き漏らさないよう、ノートに書き込む。



「…なるほど!

そーゆーことなんですね。

次、ココなんですけど…」



「ココも、出るよ。渡邊先生、応用問題好きだから」




センパイと柳澤くんは、ドンドン進んでいき、私は聞いて書くだけで精一杯…



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