一番がいい!!





「はっ? 別にいいし!

てことは、ファーストキスもらっていいわけだな?」



言いながら、どんどん私に近付いてくる。





あれ?



私の思い描いた展開じゃない…




私の前に立つと、さらに顔を近付いてくる。




「ごめんなさい。冗談です…」




私は背中を反らし気味に答える。




こんなはずじゃなかったのに…




「オレに楯突こうなんて、百年はえーわ!

で、何なんだよ?」



いたずらっ子が勝ったような、得意げな顔。



敗北感が増す。



「赤点免れたから、センパイとドーナツ食べに行くことになったんだ。

…一緒に行かないかと思って!

行きたくないからいいよ。

むしろ、センパイ…」



と2人で行きたいし。と最後まで言うことなく、



「マジで?!

行く!

絶対行く!」



私の肩を揺さぶりながら、すごく嬉しそう。



こんなに喜んだ顔できるんだ!



誘ってよかったなっ。





フフッと笑みがこぼれた。



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