一番がいい!!
学校の話や、家での話、3人で楽しい時間が過ぎていく。
半分くらい食べかけたころ、
ピコピコ♪
「あっ、ごめん。家から電話だ…
ちょっと席外すね」
センパイがケータイを持って外へ。
センパイの姿が見えなくなると…
横から手が伸びてきて…
私のドーナツを…
食べた!!!
「ちょ、ちょっと、何するのよ?!」
突然の出来事に、大きな声で驚く。
それ、最後にとっておこうと思ってたのに!!
モグモグ動く口元を見て、言葉をなくす…
「オレの分、返してもらっただけ」
「はぁ?!
甘い物キライって言ったじゃない!」
「センパイの手前だよ!
甘い物好きな男って、引くだろ!
コーヒーも苦いし…ブラックなんて飲めねーし…」
ブツブツ言いながら、コーヒーに砂糖を入れる。
えっ、こんなキャラなの?!
王子様の素顔は、実はとっても可愛いの?
この姿を知ってる私ってもしかして、得してるのかも。
ニヤニヤ笑って、見ていると
「何見てんだよ!
大体さっきのなんだよ!
センパイ固まってただろ?
オレにはオレのやり方があるんだから、余計なこと言うなよ!」
怖い顔で睨む。
「そんな甘いコーヒー飲んでる人に言われても、怖くありませ〜ん」
だって、飲みかけのコーヒーに砂糖2杯も入れるんだもん!
今日は、私に勝利の女神がいるようだ。