空色canvas
「何であんたにそんなこと…」
「お前にサヤの相手は無理だ」
俺の言葉さえもかき消され、イライラは徐々に頂点へと昇りつめていく。
「勝手なこと言ってんじゃねぇよ…サヤに会うかどうかは俺が決めんだよ!」
ガッ…!
怒鳴った瞬間、胸ぐらを掴まれた。
今にも殴りそうな目で睨みつけられ興奮しているのが分かる。
だけどそいつは殴らなかった。
それにちょっとだけ拍子抜けする。
「…とにかく、もうサヤに近付くな…」
俺に言い聞かせるように瞬き一つせずそう言うと、胸ぐらを掴んでいた手を乱暴に放した。
握られたシャツの胸元がシワになってる…。