空色canvas
「この前も言っただろ。背が高くてかっこよくて成績優秀、スポーツ万能…しかもオシャレ!まぁ完璧な人間ってことだろ?」
「完璧…ねぇ……」
圭介が知るあいつの話を聞きながら、怒りで俺の胸ぐらを掴むときの姿が浮かんだ。
「だからモテるわけね…」
閉じた携帯を置き、腕を伸ばしたままテーブルに体を委ねた。
「そういうこと。あっでも彼女は居るぞ?」
「………」
……彼女?
その言葉がなぜか引っ掛かった。
そんな完璧な男に彼女が居るのは当たり前だけど、俺はうつ伏せたまま圭介を見上げた。