空色canvas
8:影の想いと少女の心
「は…まじか?」
驚きましたと言わんばかり、目を見開いている圭介。
菜央のお粥のおかげなのか次の日には熱が下がっていた。
圭介にサヤのことを少しだけ話した。
俺が言ってた不思議な女の子のこと。
名前は城内彩耶で、この前“真実を確かめる”と言ったのは蒼井彩耶と名前が一緒だったから気になったんだと…
だけどそれが同一人物だとは言わなかった。
嘘であって嘘じゃない。
真実であって真実じゃない。
「なるほどな…だからあのとき蒼井さんの絵見て固まってたんだ?」
「ま…そういうこと…」
圭介はやっと納得できたというような顔で頷いていた。