空色canvas
「…てか…まじかよ……」
圭介の驚く視線を前から感じながら目を伏せる。
菜央は何も言わず布巾を取りに行った。
「冗談で言ったつもりだったんだけど…」
「あ…あぁ…」
どう答えればいいのか分からない。
「おまえもやるな!」
そう言ってニッと笑う圭介の顔がすごく嬉しそうに見える。
「いや、俺じゃなくて…サヤが…」
「「えっ!?」」
同時に声が聞こえたと思ったら、布巾を手にした菜央が戻ってきていた。
「まじで!?蒼井さんから?」
思わず大きくなる圭介の声に一瞬視線が集中する。
「でかい声だすなって…」
ちょっとだけ菜央の顔を見るのが怖い。
恐る恐る目を向けると、軽く唇を噛み締め少し切なそうに…だけど微笑む姿があった。