空色canvas
10:消えた時間と別れの時
そして数日後 ―――
その日は来た。
いつものようにサヤの元へ向かう俺は少しだけ胸騒ぎがした。
モヤモヤとこれから何かが変わることを感じる。
………サヤ
キャンバスの前に立つサヤの後姿を眺めた。
じっとキャンバスを見つめたまま、俺が来たことにすら気付かない。
そんなサヤに声をかけることができなかった。
後ろからそっと見つめるだけ…
するとサヤはおもむろに筆を持ち、キャンバスに向かって描き始めた。
久しぶりに見るサヤが絵を描く姿。