空色canvas



「私は…」


…チョンッ!


「………!」


「…サヤだよ」



後ろに隠されていた手が近付いてきたかと思ったら、俺の鼻に筆が押し当てられていた。

絵の具付きで…


ツーン…と絵の具の臭いが鼻と脳を刺激する。




「お絵描き…しよっか♪」


「えっ……」



ニッコリ笑ったかと思うと、鼻に押し付けられていた筆が頬へと移動した。



「えっ…ちょっ……」



理解できない俺とは正反対に、サヤはニコニコと笑って絵の具をつけようとする。

あのときのように…



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