空色canvas
……ガッ!!
反対の頬に絵の具を付けられようとしてその腕を掴んだ。
「………?」
「ちょっと待って…」
俺の言葉にサヤはキョトンとした顔をする。
とにかく俺は今、この状況を理解しなくてはいけない。
サヤの記憶が戻って俺は忘れられた。
でも今、目の前にはサヤが居て俺を“ハル”と呼び、あのときのように絵の具を付けられている。
一体…どういうことだよ。
サヤの記憶は…
「笑わないの?」
「……え?」
じっと俺の顔を覗き込む。