空色canvas



「あのときみたいに笑わないの…?」


「………」



この表情は俺の知るサヤじゃない。

あまりにも大人びていて…

10歳のサヤじゃないんだ。



「君は…いくつ?」


頭の中がぐちゃぐちゃで、坦々と言葉が出てきた。



「…20歳だよ。ハルと同じ…」


「…な…んで……?」




「……戻ったの。記憶もすべて…」



「…でも俺のことは忘れて…」



< 242 / 258 >

この作品をシェア

pagetop