空色canvas
「今から二人で見に行くんだろ?」
その絵が今日から美術館で展示される。
「あぁ…俺もまだ見てないんだ」
サヤがどんな絵を描いたのか俺はまだ知らない。
“お楽しみ♪”と言ってサヤは最後まで見せてくれなかったから…
「そういえば、あの絵と貼りかえるって聞いたけど本当なの?」
菜央が『赤い旋律』の絵を指差す。
「うん…高津先生が貼りかえてくれるみたい。今の絵のほうが私らしいって…」
そう言って菜央に微笑むサヤ。
いつのまにかサヤと菜央も仲良くなっていて、俺はそんな二人を見て嬉しいけれどどこか複雑な思いでいた。