空色canvas
「いや、今日はやめとくわ。家に帰る」
「シャワー浴びに?」
「……寝に…」
俺の言葉に圭介は驚いた表情を見せた。
「……乗り越えた?」
この二週間…俺がずっと家に帰らない理由を圭介は知っていて、無理に帰れとは言わず付き合ってくれた。
「ん…そろそろいいかな……」
だけど昨日までは帰れなかったのに今日は真っ直ぐ帰る気でいる。
自分でも驚いた。
でもそれはきっと、まだ出会ったばかりのサヤの笑顔が頭から離れないからだと思う。
確信はないけど乗り越えられそうな気がする。