空色canvas
雨が3日も続いて、ただでさえ呆れているのに圭介はさらに呆れた顔をして笑って見せた。
確かに俺は別れた後も菜央のことばかり考えてた。
あの頃の俺には菜央がすべてだったから…。
だけど最近は…
菜央のことを考えないわけじゃないけど、その時間は減った。
ここ数日で…
その代わり俺の頭に浮かんでくるのはあの子の姿で…
たった2回会っただけなのに彼女の姿が俺の中に繰り返し甦ってくるんだ。
“不思議な少女”
それだけで俺の中に深く印象づいてるだけなのかもしれないけど。
「早く…雨上がんねぇかな…」
無意識のうちに一言つぶやいた。