空色canvas
「…榛真は次授業ないの?」
圭介の後姿を目で追う俺の横で菜央の視線を感じた。
「あぁ…俺は空き時間…」
「私も…。座ってもいい?」
菜央の視線をしっかりと感じているのに、俺はその目を見つめ返すことはできなかった。
「おぅ…」
逸らしたまま頷くと菜央は「ありがとう」と言ってさっきまで圭介が座っていた席へ座る。
顔を上げれば目の前に菜央がいる。
だけど俺はずっとうつむいたままだった。