空色canvas
5:恋人と影の存在
「久しぶりだね…」
菜央の声を聞くだけで俺の心臓は反応するけど、それ以上に切なくなった。
「そうだな…」
「元気にしてた?学校一緒なのに、ここ最近見かけなかったから…」
それもそうだ。
俺が菜央を避けてたから…。
冷たく突き放したのに、きっと姿を見れば心が揺らいでしまう。
それがわかっていたんだ。
「元気だよ」
「そう…よかった」