本物の友達の基準って何?!




テスト1週間前、このはと登校して学校に着いて、静葉ちゃんたちと挨拶して、

「お、美澄さん、宿題教えてー。」

課題の分からなかったところを陽翔くんと教え合って勉強する。

そんな中、陽翔くんがふと思い出したように言った。

「勉強会しない?

俺と美澄さんと智明と木村の4人で!」

ニコッと笑う陽翔くんにドキッとしながらも、勉強会のお誘いに思いきり首を縦に振った。

「じゃあ、明日の放課後俺んちでやろ!」

そう言う陽翔くんの言葉に思い切り頷くも、そういえば陽翔くんの家知らないことを思い出す。

陽翔くんに直接聞くにもなんだか話すのに緊張するため、このはに聞けばいいかなと思い陽翔くんには聞かないでおいた。

そしてその翌日の放課後。

このはと一緒に行く約束をして、一度家に帰って鏡の前で何度も服装をチェックしてから家を出た。

髪も一旦綺麗に結び直していたためか、家を出た頃にはこのはと決めた集合時刻を少し過ぎていて、慌てて向かった。

このははピンクを誇張とした可愛らしいワンピースを身にまとっていた。

私はというと、オフショルダーという肩出しのシャツに、膝丈のズボンという、大人びた感じの服。

気合を入れてきたことが少し恥ずかしいけど、まあ良い。

このはといろんな話をしながら歩く中、テスト終わったら告白しようかな、なんて考えていた。

そうしていつの間にか陽翔くんの家についた。

結構新しいマンションをエレベータで上がり陽翔くんの家のインターホンをこのはが押す。

私達が来たと分かっていたのか、陽翔くんが出てきて私達を迎え入れてくれた。

陽翔くんのお母さんに挨拶しつつ陽翔くんの部屋まで行くと、もうすでに宮野がいた。

「…ほら、やっぱりこのはと来ただろ?」

私の顔を見てから陽翔くんの方に視線をうつしそう言う宮野。

何の会話からそうなったのかと、このはと揃って首を傾げると、

「いやこいつが、倉井さんに家の場所教えるの忘れてたってあたふたしてたからさ。」

宮野はクスッと小馬鹿にするように笑ってそう答えた。

ぷくっと頬を膨らませて拗ねる陽翔くんを放ってこのはは遠慮なく部屋の中に入る。

私もこのはと一緒に部屋に入ると、陽翔くんは部屋に入らずどこかへ行ってしまった。

その後少ししてから陽翔くんはお盆の上にお菓子と飲み物を乗せて戻ってきて、テーブルの上に置いた。

そうして4人で教科書やら問題集やらを広げて、勉強会を開始した。

「あー、飽きてきた。」

開始約30分後、突然そんなことを言う陽翔くんに、みんなの気が緩む。

陽翔くんが分からないというから、分かる範囲で教えてあげた直後の陽翔くんの発言に、私の気も緩んでしまう。

とういより、友達同士の勉強会でよく30分もったなと思った。

一回伸びをしてから、

「飽きたって何するの?」

と陽翔くんに尋ねた。

陽翔くんは少し悩んだあと、ハッとして思い付いたようにニコッと笑う。

「ゲームしよう!ほら、ゲーム機ならあるし!」

とテレビの方からゲーム機を持ってきてニコニコと笑いながら、3人にコントローラーを配り、私の隣に戻ってきて座り込む。

そうしてテレビの電源をつけて、いろいろ操作しだした。

勝手に操作を進めてゲームを始める陽翔くん。

勉強会じゃなかったのかと呆れつつも、なんだかんだでゲームの方に気持ちが入ってしまう。

やり始めたら熱中してしまい、気付けば1時間ほどゲームをやっていた。

「そろそろ勉強に戻ろうぜ。」

宮野のその一言で勉強を再開したものの、やはり友達同士だと話が盛り上がってしまってなかなか集中できなかった。

けれど勉強に集中できなくても楽しかったし、来て良かったと思った。

いつまでも、こんな日々が続けばいいのになと願った。

心から、願った。

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