死んでもずっと友達だよ
「翔子、やっぱり来てくれたのね……」




翔子は夏希の低く不気味なその声にゾッとして、思わず身震いをしていた。




「翔子なら、来てくれると思っていた。

私たちは、友だちだから……」




翔子は自分の後ろに夏希がいることに気づきながら、夏希の方を振り返ろうとはしなかった。




〈 私は死んだはずの夏希の存在に気づいていいのかしら?

もし私が夏希の存在に気づいたら、私も浩太と同じ運命を辿るようになるのかしら?

お願い、夏希。

もう私を友だちとは思わないで 〉




「ねぇ、翔子。

今から海に入りましょう。

楽しかった去年の夏のように……。

私は楽しかったあの日に戻りたい」
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