死んでもずっと友達だよ
夏希が私にそう言ったとき、砂浜に冷たい風が、ヒューと吹いた。




〈 海に入ろうなんて、冗談は止めてよ。

季節はまだ春じゃない。

こんな肌寒い日に海になんて入れないよ 〉




「ねぇ、翔子。

早く行こう」




〈 ダメよ……。

私は家に帰らなくちゃ……。

夏希の言うことを聞いていたら、私は…… 〉




「ねぇ、翔子……」




翔子の耳元で夏希の低く不気味な声がしたとき、翔子はドキリとして凍りついた。




「早く海に行こう。

一緒に泳ごう」




夏希がそう言ったあと、夏希は冷たい手で翔子の首をそっとなでた。
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