死んでもずっと友達だよ
「ねぇ、浩太。

私を無視しないで!」




浩太は、夏希の核心をついたその言葉に、ドキリとして心臓が飛び跳ねた。




「ねぇ、浩太。

どうして私を遠ざけるの?

私たち、友だちだよね」




恐ろしくて、悲鳴を上げたいその気持ちをグッとこらえて、浩太は歩いた。




何も聞こえていないんだと、自分に言い聞かせて……。




浩太は下駄箱から靴を取り出し、慌てて靴を履き始めた。




でもそのとき、夏希の氷のように冷たい手が、そっと浩太の首を撫でた。
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