まだ見ぬ先の行く末は

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時の流れというものは早く、あれから一週間がたった。


甥っ子さんは今日の昼に来ると、オーナーから言われている。


オーナーは甥っ子さんが来るのを結構楽しみにしているようだった。


泉はいつにでもなく嬉しそうにパンを作っているオーナーを見て、微笑ましいな、と思う。


「あ、泉!ちょっとキューケーしよーぜ。いい和菓子持ってきた!」


そう言って肩に手を回す可愛い系美人は、ここのカフェのスタッフとして働く、
佐野 麻里子(さの まりこ)。


高校からの友達で、このカフェで一緒に働く、良きパートナーだ。


「どう?これ結構美味しくない!?前回のはあんま美味しくなかったじゃん。」


「麻里子は本当好きだよねぇ、和菓子。」


あったりまえじゃん!と胸を張って答える麻里子に、あはは、と笑う。


いかにも、ケーキとかが大好きって雰囲気な麻里子だか、性格は正反対で、可愛いものはあまり好まない。











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