(気まぐれっぽい)Queen
あぁ…。哀れだったのは誰なのだろう。
俺等に騙されてる 馬鹿な姫か?それとも…何もかも偽っていた俺なのか?
「…司くんは、私のことをそういう風に思っていたのかもしれないけど、私は少なからず、司くんのことを友達だと…仲間だと思ってたの。だから今、とても悲しい。とても悔しい。…とても虚しい」
そう言いながら、一筋の雫を流す彼女は
…俺からすれば とても眩しくて美しく。
綺麗だった。
「ちょっと…頭冷やしてくるね」
そう投げ捨てて、彼女は屋上を出ていった。
静寂になった俺達のテリトリー。
「俺、ちょっと便所行ってくる」
一番最初に言ったのは、皐月。その次に梅、亜希と出ていった。
「司…。ちょっとは自分に素直になれ」
そう最後に言い残し、雅までもが出ていって、屋上にいるのは独りだけ。
雅達は、俺に気を使ったのかもしれないけど、俺には逆効果で…今とても虚しい。
「どうせなら…、怒って欲しかったな」
俺のつぶやきは、誰にも聞かれずに風に乗って飛んでいった。
『ちょっとは自分に素直になれ』
俺は…いつからこんな腐った野郎になったんだっけ。