(気まぐれっぽい)Queen
哀れな俺のちっぽけな話
***
12月25日 10才
その日は、ちょうど雪が降ってたっけ…。父さんは自殺して、そのせいで母さんは働き三昧になって、僕に当たるようになって…。
学校では、父さんのせいで いじめられて、正義のヒーローみたいに誰かが助けてくれるわけでもない。
先生に相談したって、綺麗事ばっかり言うだけで、結局は助けてくれない。
休めるところなんか、何処にもない。
今日だって、クリスマスだっていうのに母さんは仕事だという。だから僕は、せめて今日だけでも側にいてって言っただけなのに…。
だって今日はクリスマス。僕の誕生日なのに…。
だから、家出した。皆、皆 嫌だから。どっか遠くに逃げたくて。
今はコンビニの前に座ってる。他に行く宛がないんだもん。他人(ヒト)は僕を好奇心な目で見る。寒いなぁ…。白い息が僕の口から出てくる。
僕…凍え死ぬのかなぁ。
「おおぅ!?何だこの子は…」
僕の前に影ができた。髪の毛が長くて…女の人かな?
「ねえ、僕ちゃん。僕ちゃんはひとりなの?」
僕を見ているお姉さんの『ひとり』という言葉の意味は、果たしてどちらなんだろう…。
「うん。あのね、僕 家出したの。だから、ひとりなの」
そう言ったら、お姉さんはキョトンとしてから、豪快に笑ってたなぁ。笑うとえくぼが出来て、なんか可愛かった。
「ハハッ…僕ちゃん、ひとりなのかぁ。それじゃあ家くる?」
よく、『知らない人にはついて行っちゃ、いけません』っていうけど そんなのどうでもよかった。
ただ僕は、嬉しくて…。居場所をくれたのが嬉しくて。
「うん!」
言ってしまったんだ。
「こりゃあ、私への最高のクリスマスプレゼントだなっ」
そう、愉しそうに言っていたのを今でも鮮明に覚えてる。
確かお姉さんの名前は…梓だっけ。
『私は梓。よろしくな!』
12月25日 10才
その日は、ちょうど雪が降ってたっけ…。父さんは自殺して、そのせいで母さんは働き三昧になって、僕に当たるようになって…。
学校では、父さんのせいで いじめられて、正義のヒーローみたいに誰かが助けてくれるわけでもない。
先生に相談したって、綺麗事ばっかり言うだけで、結局は助けてくれない。
休めるところなんか、何処にもない。
今日だって、クリスマスだっていうのに母さんは仕事だという。だから僕は、せめて今日だけでも側にいてって言っただけなのに…。
だって今日はクリスマス。僕の誕生日なのに…。
だから、家出した。皆、皆 嫌だから。どっか遠くに逃げたくて。
今はコンビニの前に座ってる。他に行く宛がないんだもん。他人(ヒト)は僕を好奇心な目で見る。寒いなぁ…。白い息が僕の口から出てくる。
僕…凍え死ぬのかなぁ。
「おおぅ!?何だこの子は…」
僕の前に影ができた。髪の毛が長くて…女の人かな?
「ねえ、僕ちゃん。僕ちゃんはひとりなの?」
僕を見ているお姉さんの『ひとり』という言葉の意味は、果たしてどちらなんだろう…。
「うん。あのね、僕 家出したの。だから、ひとりなの」
そう言ったら、お姉さんはキョトンとしてから、豪快に笑ってたなぁ。笑うとえくぼが出来て、なんか可愛かった。
「ハハッ…僕ちゃん、ひとりなのかぁ。それじゃあ家くる?」
よく、『知らない人にはついて行っちゃ、いけません』っていうけど そんなのどうでもよかった。
ただ僕は、嬉しくて…。居場所をくれたのが嬉しくて。
「うん!」
言ってしまったんだ。
「こりゃあ、私への最高のクリスマスプレゼントだなっ」
そう、愉しそうに言っていたのを今でも鮮明に覚えてる。
確かお姉さんの名前は…梓だっけ。
『私は梓。よろしくな!』