(気まぐれっぽい)Queen
5月27日
お姉さんは、3月に遠いところへ行ってしまった。帰ってきたら、いつも出迎えてくれるお姉さんがいなかったあの日は、何回も同じことを繰り返したっけ。
俺には、お葬式をできるようなお金を持っていなかったから、ただ火葬しただけ。ちっぽけなものだった。
悔しかった。俺を救ってくれたお姉さんに、こんな供養しか出来なくて…。
そして俺は、小学六年生になった。もう、何をするにもやる気が出なくなった。
ただ…何故か虚しくなるだけで。心にポッカリと穴が開いてしまったようだった。
時間が経つのも、何かを食べるのも…何も感じれなかった。
俺は、どっかの保護センターに連れてかれた。子供が沢山いる。ただ、それだけ。
こんな感じ悪い俺に話し掛けてくる奴(バカ)なんか、誰もいなかった。
そう、いなかったんだ…。
「じゃあ、新しいお友達を紹介しますね。みんな、仲良くしてあげてくださいね」
「伊坂 茉央。…よろしくお願いします」
黒髪が似合っているこの少女は、どこか暗い雰囲気を持っているように見えて、同時に…、俺と一緒なのだと思った。
茉央が来て、1日たった。
俺はいつも通り、窓から外を眺めてた。…お姉さんが迎えに来てくれるのを信じて。
「ねえ、君」
凛とした綺麗な声が俺に届いた。
「何」
「何て言うの?名前」
こいつ、バカだなぁと思う。そう思いながら、振り向いたら なんとあの少女だった。
「…別に、どうだって良いじゃん」
「…まあ、確かにそうだね。私は茉央、よろしく、僕ちゃん」
『僕ちゃん』
懐かしいなぁ。初めて会ったあの日、お姉さんは俺のことを僕ちゃんって呼んできたなぁ。
「…よろしく」
気づけば、そんなことを口にしていた。
茉央は、話してみれば、案外気が合って、気づけば笑っていた。
楽しかったんだ。
茉央は、見掛けによらず、毒舌で喋りやすかった。
俺は笑っていたんだ。…笑って。
お姉さんは、3月に遠いところへ行ってしまった。帰ってきたら、いつも出迎えてくれるお姉さんがいなかったあの日は、何回も同じことを繰り返したっけ。
俺には、お葬式をできるようなお金を持っていなかったから、ただ火葬しただけ。ちっぽけなものだった。
悔しかった。俺を救ってくれたお姉さんに、こんな供養しか出来なくて…。
そして俺は、小学六年生になった。もう、何をするにもやる気が出なくなった。
ただ…何故か虚しくなるだけで。心にポッカリと穴が開いてしまったようだった。
時間が経つのも、何かを食べるのも…何も感じれなかった。
俺は、どっかの保護センターに連れてかれた。子供が沢山いる。ただ、それだけ。
こんな感じ悪い俺に話し掛けてくる奴(バカ)なんか、誰もいなかった。
そう、いなかったんだ…。
「じゃあ、新しいお友達を紹介しますね。みんな、仲良くしてあげてくださいね」
「伊坂 茉央。…よろしくお願いします」
黒髪が似合っているこの少女は、どこか暗い雰囲気を持っているように見えて、同時に…、俺と一緒なのだと思った。
茉央が来て、1日たった。
俺はいつも通り、窓から外を眺めてた。…お姉さんが迎えに来てくれるのを信じて。
「ねえ、君」
凛とした綺麗な声が俺に届いた。
「何」
「何て言うの?名前」
こいつ、バカだなぁと思う。そう思いながら、振り向いたら なんとあの少女だった。
「…別に、どうだって良いじゃん」
「…まあ、確かにそうだね。私は茉央、よろしく、僕ちゃん」
『僕ちゃん』
懐かしいなぁ。初めて会ったあの日、お姉さんは俺のことを僕ちゃんって呼んできたなぁ。
「…よろしく」
気づけば、そんなことを口にしていた。
茉央は、話してみれば、案外気が合って、気づけば笑っていた。
楽しかったんだ。
茉央は、見掛けによらず、毒舌で喋りやすかった。
俺は笑っていたんだ。…笑って。