(気まぐれっぽい)Queen
6月30日

今日も茉央と話した。あの日から、茉央の聞いてきた疑問について悩んできて、今日。やっと答えまで辿りついたのだ。

「茉央。あのさ、この前の質問のことだけど…。答えが見つかったんだ」

「ん?…どれどれ」

息を吸う。

「俺さ、家出してさ、拾ってくれたお姉さんがこの前、遠くに行っちゃったんだ」

やはり、お姉さんが死んだというのは信じたくなくて、なかなか言葉に出せない。

だしたら、本当のことなんだと、実感させられるようで…。

「俺、お姉さんのこと、大好きだったんだ。とても…とても。
それからは、何をするにもやる気が出なくて…。自分の感情までも…分からなくなってしまったんだ」

「……」

相槌をしながら、聞いてくれる茉央に、どこか安心感を感じた。

「俺は、醜いから。だから、感情までも失って…!お姉さんのことまでも失ってしまった…!!……ねぇ、茉央。俺を助けて」

茉央なら、こんな俺を助けてくれると思った。でも…



「可哀想な人ね」



そう、一言言い放った。


あれは…キツかったなぁ。とても…辛かったなぁ。まさか、そんなこと言われるとも思ってなかったから…。


「でもね、司。私、貴方のこと好きだから…。そんな貴方を支えてあげたいの。貴方に…感情を教えてあげたいの。貴方の目に…光を取り戻したいの」

何も…聞こえない。
ただ、俺は…夢中で走って。…繁華街まで走った。


ガヤガヤとうるさい人々の賑わい声。その中で泣いてる俺だけが、別の空間にいるように思えた。


「…お前、何してんの?」

そう、聞いてきたのが、俺等の総長 福田 雅だった。

そこから俺はグレて、暴走族に入って、過去のことを忘れようとした。
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