(気まぐれっぽい)Queen

ひとつ、過ぎる。

なんか、思い出してたら、頭が冷静になってきた。俺に非があったんだし、謝りに行こう…そう思ったときだった。


「ちょっと…!!萌花ちゃんとミサちゃんがいないんだけど!」

血相な顔をした小野さんが来た。それに続いて、queenの奴ら、雅達が来た。



「…萌花ちゃんとミサちゃんがいないの。萌花ちゃんが帰ってこないからって、探しに行ったミサちゃんも帰ってこないし…。
ねえ、どういうこと?」


いつもの穏やかな口調の小野さんではなかった。いつもなら、冷静に判断できるのに、頭が混乱して判断ができない。

…どうすればいい。

その言葉が頭の中を支配して、他のことを考えさせようとしない。

「…ぁ…」

声までもが…上手く出ない。

「すまない。…悪いんだが、司は今は無理だ。萌花とミサに、GPSは付いてないのか?」

「…GPS。萌花になら、付いてたぞ」
冷静に物事を言う千畑。今だけは、尊敬する。

「じゃあ、俺が調べてあげるから、ソッチは任せた」

そう言って亜希は、パソコンを開いてカチャカチャやっている。

俺も…動かなきゃ。そう思うのに、体が動かない。

俺は…「はい、出てきたよ。今、この倉庫にいるっぽい。…拘束されてる」

亜希の声でハッとする。

「よし。今から向かうぞ」

「「「了解」」」

俺以外のKINGが返事をする。Queenの奴らも行くらしい。



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