(気まぐれっぽい)Queen
ピクリとも動かないミサちゃん。気絶してるの…?
段々不安になってきた私は、涙が出そうなのを堪えて必死になって呼び掛ける。
「ミサちゃん!ミサちゃ「ばか、気付かれるでしょ」
突然、むくりと起き上がるミサちゃんに吃驚して、思わず叫びそうになるのを必死に堪える。
「ミサちゃん、大丈夫…?」
なるべく、声を小さめにして問い掛ける。
「あたしは気絶したフリをしたから、平気よ」
なんともミサちゃんらしい方法。それでも私は心配したんだもん。
「ミサちゃんのバカ!気絶してるかと思ったじゃん!」
堪えていた涙が、安心したのかポロポロ流れる。
すると、ミサちゃんは困ったように微笑んで…。
「これしか方法がなかったのよ。ごめんね」
舌をちょっぴり出し、お茶目な風に言ってきた。
「…これからは、気を付けて」
ぼそり、呟く。
「うん。分かったよ」
そう答えたミサちゃんの声は、とても優しいものだった。
「ひとまず、その紐を解くわね」