(気まぐれっぽい)Queen


あの事件が起きたのは、確か小学4年生の春のことだっけかなぁ。

「お嬢っ…!!」

血相を変えて、私の元には来たガンちゃん。

「どうしたの?」

「親っさんが…」


“親っさんが頭をぶち抜かれた”

時間がとまる。それと同時に、一気に世界は色をなくし、枯れていった…。そんなふうに思えた。


その後のことは、全然覚えてない。

ただ、覚えてるのは、お父さんの死に顔。安らかに笑ってたと思う。

お父さんがいなくなってからは、葵くんはゲッソリと痩せて、私は何もかも喉を通らなくて、


“私、大人になったら大女優になりたいの!!”


そんな夢も諦めてしまった。



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