(気まぐれっぽい)Queen


パンッ

手を叩く音が聞こえる。ハッと意識を取り戻す。

もう、さっきの人達は倒れていた。

「ねぇ…ミサちゃん。私、ちゃんと演じてた?」

「…もう、それはバッチリと」

「…そっ、か…」

私、まだ演技したいみたい。
さっきのゾクゾク感、忘れられない。

部活でやろっかな…。


「…じゃあ、萌花。一か八か、行く「ギャァァァァ」

!!扉の向こう側から叫び声が聞こえ、次々と殴られる音が聞こえる。

「ミサちゃん…、どうする?」

「…行かない方がいいわ。下手すれば巻き添えくう。ここで静かになるまで待ってましょ」

いつもに増して、真剣なミサちゃん。ミサちゃんもどうなっているのか、状況が把握出来ないのだろう。


そうして、何分たっただろう。100分にも、200分にも感じられた。

「静かに…なったね。見てきていい?」

「待って、誰かコッチに来る。音が聞こえるわ」

私も耳を澄まして聞いてみる。確かにコツン、コツンと歩いてくる音が聞こえる。


__ガチャ


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