(気まぐれっぽい)Queen
それぞれの決意
美咲side
萌花が今までのコトを話し終えた。
やはり、気になるところがいくつかある。
1つは、萌花が倒れる直前に話していたという狐のことだ。
その狐が誰なのか、何も分かっていない。顔、名前、ましてや性別さえも…分からないのだ。
もう1つは、悠貴のことだ。
口ではああいっていたけれど、なぜ急に会いたくなったのかなど、正確な理由がわからない。
元々、昔から、謎な男だったのだ。
何を考えているかも分からない、いつもヘラヘラ笑っていて、あたし達に本音を言ったことがあるのはほんの数回だけだと思う。…まあ、それでもイイヤツだ。気が合ってたし…。
あと1つは…、下っ端らしき人達は、総長に連絡とか言っていた…が、そんな人は誰もいなかったという。
「謎すぎる…わね」
「?どうしたの、美咲」
まあ、1つでも疑問は解決した方がいい。分からないことが多すぎて、心の中がモヤモヤする。
「ねえ、悠貴。あなたに聞きたいことがあるわ」
悠貴と対等に向き合う。やはり、悠貴の瞳を見ても何も分からない。
しかも、あたしは真剣に聞いたのに、悠貴はケラケラ笑ってる。…一発殴ろうかしら。
「なにか文句ある?」
嫌味のように、ずっと笑っている悠貴。
「んーん。何にもないよ。ただ、昔から美咲は分からないことがあると、自分が納得する答えが出るまで考えて、全て自分が分かるようにしてたよね。
今も昔も変わらず、女王さま気質だね」
…、そこまであたしは頑固者なのだろうか。悠貴の言葉を聞くかぎり、あたしが頑固者って感じがする。
「そんなことより、あなたはなんで来たの?」
なんか、照れくさくなってきたため、軽く話題を逸らす。
「だァかぁらぁ、急に会いたくなったからだって。さっきも言ったじゃん」
怪しい…。そんな思いを込めて、視線を送る。