(気まぐれっぽい)Queen
そんな夜空は、まるであたしの心の中を示しているようで…。萌花や時空、純粋な人達が光る星。他の黒は……あたし。
そんな感じに思えた。
(絶対に……、萌花達は守る。)
あたしの光を穢されないように…、黒のあたしが、みんなを守らなければ。
「くちゅん!」
「あら、萌花ちゃん。流石に寒いねぇ~。ねぇ、ミサちゃん、帰ろぉ?」
穏やかな桜。可愛らしくくしゃみをする萌花。いつもと変わらない皆。……いや、変わったか。
萌花は、諦めていた演技をしたいと言い出して。柊くんは、萌花のことを本格的に好きになって。おまけに悠貴までココにいる。
みんな、何かを覚悟して、何かを決意した。
「さあ、帰りますか」
これからどうなるかなんて分からない。
それでも今、みんなが笑っているならば、それでいっか。そんなふうに思う。
__同時刻
「ったく、アイツは人使いが荒いねぇ。…おい、ちゃんとやってきたか?」
「…俺が失敗すると思うか?」
「まあ、思わねえけどよぉ。…一応の保証が欲しいわけよ。で、どうなんだよ」
「ちゃんとやった。証拠は残してない」
「ふーん。…ほらよ、5束ある。報酬だ」
「……」
「面白くなってきたよなぁ」
誰かが言った。
「Queen狩り、start」
またひとつ、動き出す。