(気まぐれっぽい)Queen
糸と意図が、絡まりあう。
この前の騒動から1週間後、KINGが、萌花を姫にしたことについて詳しく話してくれた。
萌花は、泣きながらも最後は笑って、本当のこと言ってくれて良かったです、と言っていた。
萌花が婚約者なのも嘘。(これには葵が喜んでいた)護衛が0なのは、萌花を敵の囮にしたかったからとか。
葵も桜も激怒していたけれど、萌花のあの言葉でピタリとやめた。
『ハア?ふざけないでくれますかぁ?私、怒りますよ』
『マジふざけんな。お前ら全員シバいてやるから表でろや』
『桜ちゃん、葵くん!やめてよ、2人とも。確かに、酷いことされたかもだけど…私は、KINGの人たちといたい。姫として、皆と一緒にいたいの。私だってっ、ミサちゃんにかまって欲しくてKINGの姫になったんだもん。お互い様でしょ?』
『………』
『それにね。……私、もう一度演技をしたいと思ったんだ。また演じたいと思えたんだよ!だからね、やっぱり…司くん達と居たいです。ダメ……かな?』
凛とした姿。強い意志をもった萌花に心惹かれ、何も言えなくなってしまった。
そんなこんなで、やっと落ち着いてきた今日。
ああ、幸せ。
そう、思っていたのだが…。