(気まぐれっぽい)Queen



「て、ことで桜。一緒に付いてきて」

「うえぇ…。私、やだよぉ。ミサちゃん頭良いんだから私要らないよぉ」

「そこをなんとか…!」

今、桜に今までの経緯を話し、説得している。だって、だって…、

「“KING”の倉庫でやるって言うのよ!?」

ありえない。なんで教えてあげる側が行かなきゃならないのよ。

「…内谷くんに、嫌なこと言ったのぉ?」

「言ったわ、倉庫でやりたくないってね。でもね?内谷くん、倉庫にいないといけないんだって。約束したその日は、ちょうど下の子達が倉庫に半分いなくなっちゃうから…って」

「う〜ん…。しょうがないなぁ。特別に付いて行ってあげるよぉ。…あ、その日っていつなんだっけぇ」


「えーとっ、今週の土曜日よ」

「…………、え?ってことは」


ハッとあたしもその日の予定を思い出して、桜と顔を見合わせる。

「「葵と萌花の勉強会とかぶっちゃう!?」」

今のあたし達の顔は、とても酷いことになっているだろう。でも、そんなの別に問題じゃない。

「うわぁ…、あの2人の会話盗聴してイチャイチャ聞きたかったのにぃ」

「あたしだって、そうよ。くっそ…恨むわよ、内谷」

ついつい口が悪くなってしまった。

「時空くんも誘っておいてあげなよぉ?私たちだけだと、可哀想だしぃ」

「分かったわ。伝えとく」

「楽しみだねぇ、勉強会」

そう言って、妖しく微笑む桜。…どうなるのやら…勉強会。

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