(気まぐれっぽい)Queen
「それじゃあ、内谷くん。まずは数学を少しやりましょうか」
まずは難問である数学をやることにした。しかし、内谷くんの返事はない。
「……なあ、松坂。丁寧語やめねぇか?めんどくせぇし」
「…。あら、そんなこと?別にいいわよ。じゃあ、これからはタメでいくわ」
「おうっ!」
なんか急にやる気を出す内谷くん。
「じゃあ、数学ね。まず、計算やろっか。
えーと…、この問題解いて」
「分かった」
内谷くんに出した問題は25×125。まあ、簡単な方だろう。
内谷くんを見てみる。なんか、筆算を使わないで指を使ってる。はあ?
「あ゛ぁ!指が足りねぇよ!」
いや、そりゃそうだろ。
「あのねぇ、内谷くん。指で数えなくても分かるわよ。いい?この問題の解き方はね…。
25って、100の4分の1ってこと分かる?」
「それぐらいは俺も分かるぞ?」
よしよし。
「4分の1ということは、100÷4をすれば25になるわよね?」
「?…それがどうしたんだ?」
「25で掛けるより、100で掛けた方が楽でしょ。だから、100×125をするの。答えはいくつだった?」
「…12500。こっから、どうすんだよ」
「さっき言ったよね。100を÷4すれば25になるって」
内谷くんは気付いたのか、ハッとしている。
「っていうことは、この12500を4で割ればいいのかっ?!」
少し興奮気味の内谷くん。
「えぇ。そうよ」
「分かったぞ!答えは500かっ!!」
「正解。よく出来たわね」
よっしゃあ!とガッツポーズをしている内谷くん。
「それじゃあ、次の問題やるよ?」
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「疲れたぁ…」
かれこれ1時間数学をやった。内谷くんは、1回解き方を教えたらすぐ出来る、飲み込みの早い男だった。
……まあ、頭ん中が空っぽだったから飲み込みが早いんだろうけど。
「なあ、松坂!次は漢字を教えてくれ」
ンなもん、どうやって教えろと。