(気まぐれっぽい)Queen
柊side


今、松坂さんは皐月と時空くんに漢字を教えている。


松坂さんの教え方は分かりやすい。らしい。皐月の表情を見れば分かる。基本皐月は、面倒なことはすぐ飽きる。


なのに、こんなにも目が輝いているのだ。


皐月が、成長したようにも思えて、つい、笑ってしまった。


「…ぇ…」

小さく声が聞こえたから、素早くその方を見る。そういえば、小野さんが隣にいるんだった…。


急に恥ずかしくなって、慌てて話題を探す。

「そ、そういえば、萌花がいないね」


「ん?あー、葵くんもいないよ」


小野さんはふわりと微笑みながら、俺に爆弾を落とした。



え…?



そんな俺の戸惑いを知ってか、小野さんは更に爆弾を落とす。


「萌花ちゃんと葵くんはね、2人“だけ”でお勉強会をしてるの。萌花ちゃん、成績悪いから、きっと葵くんに手取り足取り教えて貰ってるだろうね」


千畑が萌花に好意を抱いているのは知っている。周りからも分かるぐらい、萌花のことについて反応するから。


でも…。


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