(気まぐれっぽい)Queen
美咲side


たまたま、柊くんと桜の会話を聞いてしまった。


多分、柊くんは萌花の元へ行きたかったのだろう。それを、桜は遮った。

つまり、桜は……。


桜がお手洗いに行くと言ったので、あたしもその後に続く。

お手洗いに着いた。着くまでの間、何となく桜とは話さずにいた。ってか、こんな所にお手洗いあったんだ…。

……あれ?


なんで、あたしはお手洗いに辿り着けたの…?
あたしは、桜の後を付いてきた。

ということは、桜は元から場所を知ってた…?


「ミサちゃん、お先にぃどうぞぉ」

桜の声にハッとして、考えるのを一旦止める。ちなみに、あたしはお手洗いがしたい訳じゃなく、桜に話があっただけ。


「ねえ、桜」

「ん?」

いつも通りの桜。な はずなのに、緊張してしまう。

「さっきのことなんだけど…」

「さっき?」

「柊くんとの会話よ」

そう。さっきの柊くんと桜の会話。あの会話で桜が言った言葉は、柊くんに萌花たちの邪魔をさせないというもので。


「それがどうしたのぉ?」



KINGに萌花を渡さないというものだった。

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